第一回非公式オタク菓子盆選手権 最強の「丈くんとのシチュエーション盆」はどれだ!?
皆様は菓子盆選手権を知っているでしょうか。
菓子盆選手権、それはオモコロという面白コンテンツを発信するサイトにて定期的に開催される大会である。
と、言葉で説明するよりも見た方が早いかと思われますのでご存じない方は私のおすすめ回をご覧ください。
omocoro.jp
趣旨はお分かりいただけたでしょうか?
こちらが昨今の自粛によって暇を持て余したジャニオタのバイタリティーによって流行り出しているということで、今回開催される運びとなりました、「なにわ男子」の「藤原丈一郎くん」の担当3名による非公式オタク菓子盆選手権の様子をお届けしたいと思います!
題して
第一回非公式オタク菓子盆選手権
最強の「丈くんとのシチュエーション盆」はどれだ!?
こちらの記事はオモコロ様への多大なるリスペクトのもと執筆しております。*1
また、これから先はオタクによる重度の妄想が散見されます。ご注意ください。
【開催要項】
「藤原丈一郎と過ごすシチュエーション」に合わせた菓子盆をプレゼンしていただきます。
自分を場に置いたシチュエーションを作っても、丈一郎に菓子盆を提供する架空の人物の設定を作り上げても構いません。
【菓子盆選手権のルール】
・予算は1000円程度です
・菓子盆が用意できない場合、代用として皿を使うことは可能です
・プロ野球チップスは公式ルールにより禁止されています*2
【選手権の流れ】
①テーマ発表
②用意した菓子盆の写真を発表
③設定したシチュエーションの説明、菓子盆の内容を好きなだけプレゼン
【参加者】
阪神タイガースのファン。
オリックス・バファローズのファン。
野球はよくわからない。
なぜここにいるのかよくわからない。
気合いを入れた丈のオタクに囲まれるところからのスタートです。
それでは早速参加者たちの盆を見ていきましょう。
■エントリーNo.1 めそ
テーマ『雨と野球と菓子盆と』
【使用菓子】
チョコフレーク 98円
チョコマシュマロ 90円
ハッピーターン えだ豆味 148円
カンパイラムネ 38円×2
ハリボー ゴールドベア 198円
うまい棒 めんたい味 10円
どんぐりガム サイダーキャンディ 16円×2
フルーツソーダ餅 38円
まけんグミ サイダー味 43円
こんにゃくラムネゼリー 22円×4合計 821円
【シチュエーション】
・雨の日に自宅のリビングにて
・アイドルではない丈一郎と付き合っている
・一緒に見に行く予定だった野球の試合が雨天中止になって落ち込んでいる丈くんを元気づけるために、そっと差し出す菓子盆
・過去の試合やホームラン集など、野球のいろいろな動画を見ながらふたりでのんびりお菓子をつまみたい
めそ「会社の近くに駄菓子屋さんがあって、仕事の帰りに買って帰りました」
やこ「いい立地だな」
きぬこ「菓子盆向きの職場じゃん」
やこ「まけんグミがグーでかわいい、青いし」
きぬこ「グーで負ける丈一郎じゃん」
めそ「このシチュエーションで小説を書いてるんですけど……」
~ここでめそ氏と丈一郎の菓子盆小説が貼られる~*3
やこ「初回から飛ばしてんな!!www」
きぬこ「だってもう勝てんもん優勝しちゃうじゃんこんなんww」
めそ「こういうシチュエーションを想定しております」
めそ「私と丈くんは一緒に住んでるんですけど、たまたま休みが合う日に二人で野球見に行こうって前々から予定立ててて、丈くんがいい席のチケット取ってくれてたわけなんですよ。それが屋外球場だったので」
きぬこ「甲子園いってんの?」
めそ「甲子園です。行く予定やったんですけど雨が降っちゃって中止になっちゃって、落ち込んでる丈くんを元気付けるために差し出したい菓子盆でございます」
めそ「家で野球の試合とかいろんな動画見ながら食べたいなと、甘いとしょっぱいを織り交ぜて飽きの来ないようにしました」
めそ「まず、話は逸れるんですけど。服装のコーディネートって三色でまとめるという話があるじゃないですか。菓子盆もそれに則って、青・緑・茶色の三色をメインに配置してみました」
めそ「茶色はチョコフレークで野球場のグラウンドを表現してみました。そこにマシュマロを四つ埋め込んでいるんですけどこれは一塁とか二塁とか、そちらを表現しております。周りにある緑色のハッピーターンは甲子園の美しい緑の芝生を表現しております」
きぬこ「甲子園はね、芝生がね、きれいだから」
めそ「奥に見えますまけんグミとかラムネゼリーは青空。今日は雨で行けなかったけど次行くときは晴天の時に行けたらいいねという」
やこ「メンカラではなくということね」
めそ「後付けでメンカラなんですけど、今回は青空ということで」
めそ「右側のうまい棒は野球のバットを表現しました。ほんとはチョコバットとかあればよかったんですけど私の行ったお店になくって」
めそ「左側のビールのやつあるじゃないですか、ビールの下にクマがふたついるのがおわかりでしょうか」
きぬこ「ああ~~ほんとだ!いる!」
めそ「これ、わたしと丈くんを表現しています」
めそ「野球場でのビールってすっごい美味しいんですよ。でも丈くんってお酒呑めないじゃないですか。なのでせめて菓子盆の上だけでも素晴らしさを味あわせてあげたいという思いで」
きぬこ「でもクマちゃんなんだもんなぁ、めっちゃかわいい」
やこ「芸術点が高いですね」
めそ「わかりにくいんですけど、チョコフレークの下に引いてるペーパーナプキンをホームベース型に折ってるんですよ。だから食べ終わったときに「お、これホームベース型やん」っていう丈くんの嬉しそうなリアクションを期待してやってみました」
きぬこ「ささいなことを楽しんでるカップルなんだろうなみたいな理解が」
めそ「シチュエーション写真もあるんですけどそちらも」
やこ「えwwwすごwww」
きぬこ「これ本人の代わりですよね??」
めそ「そうです、こんな感じで菓子盆をつまみたいなという」
きぬこ「すごいすごい無理無理無理ww」
めそ「こういう暮らしをしています」
小説やシチュエーション写真までもを盛り込んだ情熱で丈一郎を励ます芸術盆を作っためそ氏、審査員の講評はこちらとなりました。
KIKO
球場やん!とはしゃぐ丈の顔がファーストインプレッションから浮かんでくる菓子盆と言えることでしょう。
駄菓子を取り揃えられた盆上は、憂鬱な雨の日をぱっと明るくするための軽やかさを備えており、また爽やかな青が一筋差し込む様子がとても美しい色彩といえます。
この盆からひとつお菓子を取る度に会話がひとつ生まれくる、まさしく菓子盆を通じたコミュニケーションにぴったりの盆だと感じました。
お酒が得意ではない丈一郎への配慮として、ちょっとした遊び心としての乾杯ラムネが野球場の臨場感とおちゃめなカップルを演出しているようでニクいですね。
こちら、見落としがちですがちゃんと乾杯している向きで置かれているんですよね。
直置きすることを躊躇うチョコフレークやハリボーベアに敷き紙をしているあたりも女性的な細やかさが伺えます。
ただ、ハリボーのひとつが背景に埋もれてしまう色であるのが残念でした。オレンジと赤などを使用すればふたりの存在感をさらに引き立たせることができたのではないでしょうか?
三色をメインに配置しているとのことではありましたが、ハッピーターンの存在により青の鮮烈さが隠されてしまっている印象も受けたため、色ごとのバランスにまで気を遣えればさらに美しく情景の映え立つ盆になったのではないかと思います。
とにかくこちらの盆は色彩がとても美しいですね。梅雨の陰鬱な天気とは裏腹の、視覚で楽しむ芸術盆と言って差し支えありません。もはや作品です。
この盆を楽しめる二人であれば、楽しみだった予定が潰れてしまったって、どんよりとした湿気のまとわりつく雨の日だって大丈夫。
普段から喧嘩になることもなく、ちいさな幸せで笑い合って過ごしているのが伝わってきます。
他愛ない会話を交わしながら二人で仲睦まじくお菓子をつつく光景の浮かんでくるような、これこそ丈にしか出せない盆であると断言できました。
■エントリーNo.2 きぬこ
テーマ『丈ー!お菓子持っていってー!』
【使用菓子】
ポップコーン(塩味) 108円
ハイチュウアソート 213円
ポテロング 111円
カプリコのあたま 105円
サワーラムネ 108円合計 645円
【シチュエーション】
・丈くんのオカン視点
・丈一郎が学校終わりに家に学校の友達を連れてきた(平日)のオカンが作る菓子盆
・「オカンが晩ごはんの買い物のついでにスーパーで買えるお菓子」をメインに構成
めそ「かわいい!お母さん!オカン!オカンじゃん!」
きぬこ「丈くんのオカンの視点でつくったっていう菓子盆です。いきなりトリッキーなことをして申し訳ないんですけど、小学校の時に、平日とかに学校終わってから、友達が家に遊びに来るっていう……」
めそ「じょうじょじゃん……かわいい……」
きぬこ「オカンが買うので、子供目線でこれが欲しいっていうよりかは、安いやつとか、お菓子の中でも新商品とかスーパーの中でぱっと目につきやすいところにおいてあるもの、というので選びました。だから千円って縛り的にはあんまり美しくないんですけど」
やこ「金額にどういう意味を持たせるかも菓子盆の面白いところなので」
きぬこ「オカンがスーパーで買ってくる、普通の日に食べるお菓子。まずポップコーンがあると思うんですけど、これは完全に安いからってことでオカンが買ってきてます。あとこれまあ勝手に考えてるんですけど、丈くんホームアローン好きじゃないですか。ずっと言ってるじゃないですか!好きなものこするタイプだと思うんですね」
やこ「めっちゃこすりますね」
きぬこ「それで、ハマった時に形から入る人だから、「ポップコーンを食べながら映画を見たい!」とか絶対言ってるんですよ。安いからオカンもポップコーンくらいならええか!で買ってくれる、ポップコーンはそういう理由でおいてありますね」
きぬこ「続いてハイチュウ。自分で小学生に設定しといてハイチュウドウゾの話をすな!時代設定を守れ!とは思いましたけど、でもわたし普通に小学生の時におやつにハイチュウ出てきた記憶があるんですよ。だから、それは丈くんが小学生の時からハイチュウは定番だし、人気があるお菓子としていいよなって買ってます」
きぬこ「ポテロング、これは完全に見栄えで選んでます。存在感があるものが欲しかった。あとこれさっきめそさんも言ってたんですけど、チョコバットが欲しかったんですよ」
きぬこ「ただ私が探したスーパーにチョコバットがなくて。買えなかったので、大きめのお菓子を置いといたらいいかな……っていうのと、まあポテトのお菓子はみんな好きやろ小学生はっていう、オカンのリアリティと思ってもらえたら」
きぬこ「続いてカプリコのあたまなんですけど、これは普通に晩御飯の買い物とかでスーパーに行ったときに、棚の端っこに置いてあるやつだと思ってください。で、え、こんなんあるんや~ってちょっと買ってみようかなと思って買ったやつ」
めそ「リアルやな~おりそう~」
きぬこ「色味が欲しいなとオカン的にも思ったんだと思うんですよね。そういう時のために、カラフルな包装に入ってるラムネを買ってるんですよ。一応よその子が来てるから、藤原君ちなんかお菓子全部茶色やったとか言われんのもいややし」
やこ「ここまでオカンの虚妄がどんどん積み上げられるのも丈一郎ならではって感じする」
きぬこ「基本的にオカンの視点で作ってますけど、同世代なので、自分の記憶も照らし合わせてるので幼馴染要素もあります。隣にいる藤原くんちにいったら出てきた菓子盆的要素もあります。学校の友達くらいの距離感ででてくるやつ」
めそ「これ大人になってスーパーでポップコーン目に入ったら「ちっちゃい時遊びによく行った藤原くんの家でめっちゃポップコーン出てきたな~」って思い出すやつですよ」
やこ「めそさんの時とは違って打って変わって別の視点ですけど、ノスタルジックさまで感じましたね。オカンの急ごしらえ感をちゃんと抑えている。設定の妙が生きてますね」
きぬこ「ちゃんと視点を設定してくださいってルールを言ってもらったから作れたんですよね、たぶん何もなかったら真っ青な盆になってた」
丈一郎のオカンになりきることでリアリティを存分に追求し、客席のノスタルジーまで引き出したきぬこ氏、審査員の講評はこちらとなりました。
KIKO
大変気負わない、日常に即した菓子盆に溜息が出てしまいました。
先程の盆が緻密に作り込まれた「作品」であれば、こちらの盆はいわゆる「平凡」。しかし、その平凡はきぬこさんの経験としてしっかりと生活に基づいているんでしょうね。
スーパーで普段の買い物のついでにさっと取れるお菓子を、ということで想像を働かせてみたのですが、お菓子売り場でお値打ちなお菓子をカゴへ突っ込んでいく傍ら、急に訪れたお友達に出すための飾り気のあるお菓子を選び取ってきたオカンの姿が目に浮かぶようでした。
誰しもがその想像をすることを容易なのではないでしょうか。共感力に長けたプレイヤーの力を感じます。
今回どこかで登盆してくるであろうと思っていたハイチュウも、袋に入っているアソートハイチュウなのがいいですね。
甘いものに手を伸ばし、次はポップコーンを口に運ぶ。そのポップコーンも塩味なのがたいへん素朴で愛らしい。この盆で安心感を作り出しているのはまさにポップコーンの存在です。
ポップコーンにまつわるストーリー運びも郷愁の美すらありました。
さらに、子供が欲しがるお菓子と親の選んでくるお菓子は少しズレている。これは本当に永遠の命題と言ってもいいでしょう。
この盆は全ての人間に対する回帰の盆なのではないでしょうか?
お皿に並ぶのがじゃがりこではなくポテロング、自分では買わないだろうセロファンに包まれた昔懐かしいラムネ。そのあたりがオカン!という空気を醸し出していますね。
チョコバットのかわりにポテロングを置いたというスペースではありましたが、周りのお菓子が小粒であるが故にこの存在感が引き立たせられています。
こんな菓子盆が遊びに行ったお家で出されたら、どこかほっとしつつもまた来たくなる居心地の良さを感じられる、そんな家庭の温かさを感じる死角のない盆でした。
■エントリーNo.3 やこ
テーマ『丈くんとだらだら過ごす雨の日の菓子盆』
【使用菓子】
プチチョコパイ 208円
ヤングドーナツ 28円
新手塩屋 塩せんべい 148円
カントリーマアム 238円
ハイチュウアソート 148円
ジャッキーカルパス 128円合計 898円
【シチュエーション】
・雨の日
・付き合って一年半のアイドルの丈一郎
・せっかく二人でお休みが合ったけど雨だから、じゃあ一緒にダラダラしようか!という日のお供
・一日だらだらお家で過ごすことを考えすぐに追加ができる菓子盆
やこ「めっちゃ普通の感じではありますが、これが作った菓子盆になります。丈くんとだらだら過ごす雨の日の菓子盆」
きぬこ「雨の日かぶっとるやないか」
めそ「雨男だから仕方ない」
やこ「丈くんと一緒に住んでるんですけど」
きぬこ「やっぱ住んでんじゃん」
やこ「ちょっと住んでるってことでお願いします! めそさんちの丈くんとはまた違うんですけど」
やこ「梅雨入りしちゃったということで、せっかくのお休みでも家から出られないので、ドラマとか一気見しようかっていう時に作った菓子盆になります」
やこ「ソファー前でだらだらして家から出ないことを目的としてお菓子を用意したので大容量パック、食べ終わってもすぐに補充できるようなものを選んであります。ちなみに丈くんには飲み物買ってきてくれるように頼んであります。私は麦茶を作ってあります」
やこ「たぶん丈くんチョコパイ好きじゃないですか。テレビ誌だと思うんですけど、「お姉ちゃんにチョコ持って帰ろう」って言ってたのをバラされていたのが大好きなので、チョコのものを用意したいなというのと、わたしもチョコが好きなので。最初大きいチョコパイを用意してたんですけど、大きくてくどいなって満足しちゃうところと、盆の容量も圧迫するので小さいタイプに変えました」
やこ「あとカントリーマアムも丈くん好きそうじゃないですか」
めそ「好きそう~~」
やこ「子供の頃に食べたお菓子と丈くんの親和性がすごいので、カントリーマアム絶対入れたいと思って。一応盆には二枚ずつ味を入れたんですけど、盆上のものを食べ終わって追加しようってところで丈くんがココアばっか食べるので、「ちょっとココアもうないんだけど!」という茶番をします」
やこ「続いてヤングドーナツ。スーパーの駄菓子コーナーで懐かしい~って感じて入れました。一口が小さい丈くんですが、このサイズなので「なつかし~こんなんあったわ~」ってパクパク食べてくれる」
めそ「カワイイ~~~」
きぬこ「ヤングドーナツ食べてる丈くんめっちゃ見たいわ」
やこ「全体的に甘いのが多いんでここらでしょっぱいものをと思っての塩せんべいです。これバリバリ音が出るので正直ドラマとか映像を見るのに向かないと思うんですけど、丈くんだけでなく私も好きなお菓子を入れるというところで入れました」
やこ「ハイチュウなんですけど、なにわ担である以上CM商品ということもあって手に取ったんですけど、これ丈くんが「おっ、わかってるやん!」という顔をするので買ってよかったなと思いました」
きぬこ「ああ~~する、してほしい」
めそ「なるほど、そっかなにわ男子としての丈くんと一緒に暮らしているということですね」
やこ「なお、丈くんはわたしがハイチュウを買ってくる度にふふんという顔をします」
きぬこ「毎回するんやねそれは」
やこ「毎回します。毎回ご機嫌な顔をしてくれるので、私もまたハイチュウを買います」
やこ「最後にジャッキーカルパス、丈くんはお酒が弱いというのはオタクみんな知ってるんですけど、飲みの席には同席していると思います。これは私自身も全然呑めないけど、酒のつまみは美味しくて好きというパターンはあるんじゃないかなと思って。呑めないけどおつまみは好きで美味しくて好きな丈くんっていうのが私の中ですごいツボったので」
きぬこ「いやーわかる、カルパスに重点が置いてあったってことか」
やこ「一年半くらい住んでるので、緊張感も特になく、そこまで気取ることもなく、ご機嫌取りをするお盆でもなく、普通に丈くん好きだな~わたしも好きだな~という全体的に気負いないお菓子のセレクトをしています」
めそ「これ本当に一年半くらい住んでて、全然気ぃ使わへん関係になったときに出てくる菓子盆やと思いました。この煎餅をバリバリいわしながら食べて「全然音聞こえへんやん」ってなんか笑い合いながら……」
きぬこ「初々しかったらドラマ見ようねって決めてる時におせんべいは出さないんだけど、一年半経ってたら許される。リアルですよね」
やこ「全部ふたりが言ってくれたところもあるんですけど、あんまり丈くん丈くんっていう盆じゃなくて自分が好きなものも入れた方がいいなって思って」
めそ「なんか二人のいい距離感というか」
リアルな日常に即した気負いのない盆を作り、丈一郎の生活をその場に根付かせ感じ取らせたやこ氏、審査員の講評はこちらとなりました。
KIKO
なんでしょう、この安心する盆は。
お家でよく見る品目が多いな?と思っていたところで、一日だらだら過ごせるように大袋に入っているようなお菓子を、というのは納得でした。
この中だからこそヤングドーナツの小ささかわいらしさが目立ち、その小さいドーナツを丈が手を汚さないように抓んで食べている。浮かびますね。そして菓子の袋は散らかしていく。それを文句を言いながら片付けていく。そんな光景が見えてくるようでした。
丈一郎へ出す盆でありながら自分も好きなお菓子を、という部分では彼と一緒に食べるシチュエーションの中に自分をしっかりと存在させているところで同居している実在感が示されています。
音の鳴る煎餅をあえて投盆させていることもこなれ感が素晴らしかったです。
また、個人的に評価したいのはハイチュウの向きが全てこちらへ向いていないことです。見栄えを気にしない気安さから、手を伸ばしやすい盆でした。
予算の関係でチョコパイを小さいサイズに変えたのも功を奏していますね。
チョコパイは普通のサイズであれば重量級お菓子に分類されていますので、小さいサイズにすることで他の菓子との調和が取れています。
この中では異色な感じのするカルパスも、プチチョコパイがあることにより強烈な甘さとしっかりとした塩気の調和が取れている、味覚におけるバランス感覚の良さを感じられます。
お酒は飲めない二人だけれど、おつまみの美味しさを共有できる二人である。そんな感覚の共有がしっかりと見えてきました。
この菓子盆と共に録画した番組を見て、飽きたらまた二人で別の楽しみを見つける。そんな平和が今まで続いてきて、これからも続いていくのだろうなと思わされました。
きっとこれは「いつもの休日」のお菓子なのでしょうね。
非常にほっとするような、今日は存分にだらだらしようよ!という空気感を共有してもらえる素敵な菓子盆でした。
■最終結果発表
KIKO「では今回、第一回非公式オタク菓子盆選手権、
最強の「丈くんとのシチュエーション盆」はどれだ!?ということで。優勝の盆は……」
KIKO「エントリーナンバー3番。丈くんとだらだら過ごす雨の日の菓子盆に決定させていただきたいと思います!」
KIKO
この盆はロマンとリアルの双方を兼ね備えている、すごくバランスのいい盆でした。非常に実在性がある。
今回の趣旨である「シチュエーション盆」というとこで、空間が見えてくる良い盆だったんじゃないかなと思います。
これがおそらく、綺麗に盛りつけられすぎていたらちょっと違ったのではないかという視点もありました。
私としてはこのおせんべいをすごく評価したくて。この飾り気のないおせんべいを勝負の場で登盆させるのは、すごく勇気がいることなんじゃないか?と思うんですね。
この飾り気のなさ、少しでも見栄を張りたいという気持ちがあったらたぶん選ばないんですよ。
自分をよく見せたい、ちょっとしゃれっ気を出したいという気持ちがあったら選べないのではないかと思いまして。しかし、気負わない関係というのがこの一枚ですべて見えてくる。一年半の同居が一気に現実のものになった。
私はここに驚いて、評価したいと感じました。
菓子盆における抜け感の演出。日常に溶け込む菓子盆のディティール。
自分と相手方の関係性をよく考えた上であくまで自然に作られた、「ほどよさ」に適した菓子盆だったのではないでしょうか。
KIKO「これは本当に私が盆を見た好みなので、全部素敵な盆だとは思うんですけど……」
やこ「ありがとうございます。勝ったは勝ったでわたしでいいのか?!という気持ちにはなりますが……」
きぬこ「いやいいですよ!」
めそ「だってほんとにこの抜け感とかリアルさとかめっちゃ真似したいなと思って」
KIKO「ちょうど良い抜け感じゃないですか?」
めそ「そう、気取らない感じがすごい」
KIKO「一番手を伸ばしやすい盆ってどれかな?って思ったんですよ。日常的に手を伸ばしやすい盆としてこれを選ばせてもらいました」
やこ「すごい強い選手たちの中でいただいた一位なのでありがたく喜びます!いい勝負でした」
めそ・きぬこ「おめでとうございます!」
ということで、今回の菓子盆選手権はやこ氏による菓子盆の優勝とさせて頂きました。
しかしながら全ての盆が特有の良さを備えており、結果を出すのが心苦しいほどのハイレベルな戦いであったのもまた事実。
次回開催の際には、更に洗練された盆を出してくれることでしょう。*4
自担に作るリモート菓子盆、オタクの濃厚な妄想を聞ける闘技場として大変有意義な会話の飛び交う楽しい企画でした。
今年は現場で友人と会えない分、こんな試みもありなのかもしれませんね。
それでは最後に、何の必要もないのに筆者の趣味で作成したトレーラー映像を置いて締めさせて頂こうと思います。
素敵な戦いをありがとうございました!